設立者　松本由美子

 「この建物を、誰もが集い、最期まで自分らしく楽しく暮らせる場として活用して欲しい」と、幼稚園教諭だった旧知の友の想いを聞いたのは、ずいぶん前のことになります。この建物とは、彼女の自宅に併設した私設児童館「ゆめの木文庫」。多くの親子連れが本の読み聞かせや山歩きなどで賑やかに過ごしていた場所です。児童館の役目を終えた後、片田町自由が丘区のサロン、がん患者交流会、災害時の避難場所等に利用されてきました。

　医療や介護、福祉、教育の現場に携わってきた私は、彼女の想いを有難く受け止め、何とか形に残したいと思うようになりました。平成19年、医療福祉に関わる仲間と共に「地域ネットワークさつき会」を設立し、人々の暮らしの中にある身近なテーマを取り上げ、市民の皆様と一緒に考える活動をしてきました。そのさつき会のメンバーと、この建物を利用してＮＰＯ法人を立ち上げようということになり、いろいろな場所を視察し、協議を重ねて令和元年11月19日、「ＮＰＯ法人ゆめの木」を設立しました。ゆめの木は、「暮らしの保健室」と「介護保険事業」を二つの柱に事業を展開し、将来的にはホームホスピス事業も視野に入れたいと考えています。

　ゆめの木の歩みが、少しでも〝地域づくり〝に役立てることが出来れば幸いです。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。